【AI番頭導入物語 第3話】「今日、潜れますか?」に秒で答える海

― 本部町の小さなダイビングショップが、鳴り止まない電話を手放した話 ―

目次

朝7時、電話が鳴り止まない

 本部町、瀬底島を望む港近くの小さなダイビングショップ。オーナーの知念さん(仮名)は、毎朝7時前からスマホを手放せません。

 「今日、潜れますか?」

 シーズン中、この一言から一日が始まります。天気予報アプリを開き、風向きと波の高さを確認し、ポイントごとのコンディションを頭の中で組み立てながら、一件また一件と電話に応える。ようやく落ち着いたと思ったら、今度は前日にキャンセルの問い合わせが入り、器材の準備をしながら片手で予約表とにらめっこ。

 「潜れるかどうか」は、天気という自分にはどうにもならないものに左右されます。だからこそお客様は不安になり、何度も同じことを聞いてくる。知念さんはそれが当然だと分かっていても、繁忙期には一日に何十件と鳴る電話に、正直へとへとでした。

 「海況さえ、誰かの代わりに答えてくれたら」

 そうつぶやいた知念さんの前に現れたのが、御社専属のAIコンシェルジュ――「AI番頭」でした。

「AI秘書」ではなく「AI番頭」という発想

 私がご提案したのは、知念さん個人のスマホを賢くする「AI秘書」ではありません。ご提案したのは、ショップの受付そのものを預かる「AI番頭」でした。

 想像してみてください。老舗の宿にいる番頭さんを。今日の天候も、常連さんの好みも、明日の予定もぜんぶ頭に入っていて、主人に代わって窓口に立つ――あの存在です。ダイビングショップに必要だったのは、まさにその番頭を、電話が鳴り止まない朝にも、器材整備で手が離せない昼にも、ずっと窓口に座らせておくことでした。

 一般的なチャットボットとは、まるで別物です。あらかじめ用意した定型文を返すだけの機械ではありません。このショップのポイントごとの特徴、コース料金、器材レンタルの条件、キャンセルポリシー――この店にしかない情報を覚え込んだ、“このショップ専属”の会話型AIです。

 土台に使ったのは、会話型AI構築プラットフォーム「miibo(ミーボ)」。プログラミングの知識がなくても、ノーコードで会話の中身を育てていける仕組みです。

海の窓口に、AI番頭が座った

 導入は、身構えるほど大げさなものではありませんでした。

 まず、ショップの公式LINEと予約ページに、AI番頭の窓口を設けます。お客様は、慣れた場所からそのまま話しかけるだけです。

 次に、知念さんが毎朝繰り返し答えていた「よくある質問」を、番頭に教え込みました。

  • 今日・明日の海況目安(風向き・波高から判断する一般的な可否ライン)
  • 最新の運航・出艇状況、荒天時の代替案内
  • コース内容、料金、体験ダイビングの条件
  • 器材レンタルの有無とサイズ確認
  • 予約の変更・キャンセルの受付と条件

 もちろん、最終的な「今日、潜れるかどうか」の判断は、現場を知る知念さん自身が下します。AI番頭が担うのは、その判断に至るまでの一次案内――「今の目安はこうです」「最新情報はこちらで確認できます」「変更ならこの手順です」を、24時間、何度聞かれても疲れずに答え続けることです。

 判断が必要な問い合わせだけが、きちんと知念さんの手元に届く。そういう住み分けができました。

電話が減っても、つながりは減らない

 導入後、変わったのは電話の本数だけではありませんでした。

 繁忙期、鳴りっぱなしだった電話は、定番の質問がAI番頭に流れることで大きく落ち着きました。知念さんが電話に出られる時間帯は、本当に判断が必要な相談――「体調に不安があるが大丈夫か」「グループの都合を相談したい」――に使えるようになります。

 予約変更のやり取りも、深夜や早朝にお客様側の都合で発生することが少なくありません。以前なら翌朝まで待たせていたそのやり取りを、AI番頭がその場で受け止め、必要な情報を整理してくれる。お客様を待たせる時間が減り、知念さんも寝ている間に無理に対応する必要がなくなりました。

 「電話が減った」のではなく、「答えなくていい電話が減った」というのが実感に近いかもしれません。知念さんの手元に残るのは、海を知る人にしか答えられない、本当に大事なやり取りだけです。

あなたの店なら、どう変わるでしょうか

 天候に左右される仕事は、沖縄には数え切れないほどあります。ダイビングショップに限らず、マリンレジャー、離島航路、屋外体験――「今日、できますか?」という一言から一日が始まる商売は、どこも同じ悩みを抱えています。

 繰り返される定番の問い合わせを窓口に任せ、自分にしかできない判断に時間を使う。そんな一日の組み立て直しは、AI番頭が最も得意とするところです。

AI番頭に関心のある方へ

 「電卓のように、身近なAIを。」

 これが、私がずっと大切にしてきた言葉です。

 難しい準備も、大きな予算も要りません。まずは「うちの場合はどうなる?」を、一緒に確かめるところから。御社専属のAI番頭に関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 費用のかからない個別相談、随時受け付けています。

👉 AI番頭のご相談・お問い合わせはこちら

次回・第4話は「空港カウンターの行列が消えた理由」――レンタカー会社編をお届けします。

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